マスク着用に暑熱順化なし…かつてない夏にどう備えるか

公開日: 更新日:

 さらに問題なことがもうひとつ。長く続いた外出自粛やリモートワークで、この春は日本人の多くが家に閉じこもりがちな生活を送った。それにより、夏を迎えるために必要な暑熱順化が不十分な人が大勢いると考えられるのだ。暑熱順化とは、夏に向けて、体が徐々に暑さに慣れて、汗をかきやすい体質に変わっていくこと。このプロセスを省いて夏を迎えると、熱中症になるリスクが大幅に高まるといわれている。だが、三宅教授は注意を促す一方で、コロナ禍が熱中症にもたらす別の可能性も指摘する。

「コロナの影響で、仕事でも家族や友人付き合いでも、あえて出掛けずに、ZoomやSkype、電話などで済ます傾向が強まっています。猛暑の真昼にわざわざ電車と歩きで知人に会いにいくことが減ることで、熱中症にならずに済む、という可能性も確かにありますね」

 とはいえ、それはあくまでも希望的観測。暑熱順化の遅れとマスク着用が熱中症を増加させる可能性があり、予断を許さない夏が間もなくやってくる。(つづく)

【連載】コロナ禍での熱中症対策

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?