著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「低ナトリウム塩」は高血圧対策の切り札になるのか?

公開日: 更新日:

 最近、低ナトリウム塩という商品が販売されています。普通の塩と同じように料理に使用するものですが、ナトリウム50%カットなどと書かれています。塩というのは通常、塩化ナトリウムのことですから、それでナトリウムをカットするというのは、どういうことなのでしょうか? 

 この塩には実は塩化ナトリウム以外に、塩化カリウムが入っているのです。塩化カリウムも味は塩辛いので、普通の塩と同じように料理に使うことが出来るのです。ナトリウムが体に良くないのは、取り過ぎることで血圧を上昇させ、高血圧の原因となるからです。一方でカリウムはナトリウムを体外に排泄するような働きがあり、高血圧を予防するような効果があると考えられています。それでは、普通の塩を低ナトリウム塩にすることで、どのような健康効果が期待出来るでしょうか? 

 今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという一流の医学誌に、中国で低ナトリウム塩を導入した場合の健康効果を解析した論文が掲載されています。仮に全国的に低ナトリウム塩を導入すると、心筋梗塞脳卒中などで死亡する人が約10%減少すると推測されました。カリウムは腎臓が悪いと危険があるので、全ての人におすすめは出来ませんが、高血圧は気になるものの薬は飲みたくないという人には、サプリメントより確実な方法かも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」