著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「苦い」食べ物で免疫が高まる可能性 専門誌に論文が

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっています。今のところ特効薬のような薬や有効なワクチンは開発されていません。ただ、ウイルスが体に侵入したとしても、それで必ず病気になってしまうわけではありません。人間の体には病原体を攻撃し、それを撃退する免疫という働きがあるからです。従って、新型コロナウイルスの感染を予防するには、自分の免疫を高めるということが何より重要なのです。

 それでは、どうやって免疫を高めればいいのでしょうか? 

 今年のバイオサイエンスの専門誌に、興味深い論文が掲載されています。舌で苦味を感じる苦味受容体というタンパク質があります。この苦味受容体の刺激には、体の免疫を高める働きがあるというのです。

 苦いというのは、それ以外の甘味などの味とは違って、体に有害な物質を感知するような体の仕組みです。苦いものをすぐに拒否して吐き出すために、その機能はあるのです。

 実は舌だけではなく全身に同じ苦味受容体があって、それぞれの部分で免疫を高める働きを担っているのです。

 新型コロナウイルスに有効とされるクロロキンという薬がありますが、この薬も苦味受容体を刺激する働きを持っているのです。ゴーヤーや山菜など、苦い野菜を食べることで、免疫を高めることができるかも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも