<5>新型コロナはなぜ全身に血栓症を起こす?2つのパターン

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 なぜ、新型コロナで若い人が亡くなったり、欧米でより多くの人が亡くなったりするのか。その答えとして新型コロナウイルスが全身に血栓を生じさせることが関係しているのではないか、との考えが浮上している。それも、血管の炎症と血液の凝固という2つのメカニズムが働いているのではないか、というのだ。東邦大学名誉教授の東丸貴信医師に聞いた。

 軽い肺炎だけで、若い人が多数亡くなることはない。しかし、新型コロナウイルスが肺や心臓の血管を詰まらせるとしたら話は別だ。症状が急激に悪化したり、急死したりしても不思議ではない。

「新型コロナウイルスが細胞に感染して免疫反応や炎症が起きると、その細胞からサイトカイン(免疫反応や炎症を調整したり情報を伝える生理活性物質)シグナルが出され、マクロファージ、リンパ球などの炎症免疫細胞が動員されます。そして、過剰な免疫反応でインターロイキンなどさまざまなサイトカインの産生が暴走すると、正常の細胞も嵐のように攻撃されるサイトカインストームとなります」

 炎症性サイトカインが血液中に流れると、全身炎症により頭痛や発熱、倦怠感が生じる。この仕組みにより人は体内に異常が起きているのを知ることができる。

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