<4>なぜ高齢者は感染しやすく重症化しやすいのか?

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)を引き起こす新型コロナウイルスの構造は単純だ。ウイルス自体の遺伝子(RNA)とそれを保護する膜でできていて、膜のところどころにスパイクといわれる突起物があるだけ。タンパク質やエネルギーを作る仕組みはない。

 そのため、細菌などの他の病原体とは異なり、自ら増殖できず、人や動物の体に侵入して、その細胞の働きを利用しなければ生きられない。

 新型コロナウイルスの感染はウイルス表面の突起状のスパイク(S)タンパク質と細胞表面にあるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体との結合で始まる。そして細胞膜にある「TMPRSS2」などのタンパク質分解酵素によりSタンパク質が切断されることで、ウイルスと細胞を融合させる。その結果、ウイルスは細胞内に侵入し大量のウイルスの複製を作り、それが細胞膜を破って細胞外に放出され、周囲の細胞に次々と感染していく。

■獲得免疫の衰えが激しい

 なぜ新型コロナウイルスは風邪コロナウイルスとは違って重症化しやすく、とくにそれが高齢者に目立つのか? 東邦大学名誉教授の東丸貴信医師が言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも