「気持ちは必ず変わる。物事はすべて変化していくから」

公開日: 更新日:

【Q】飲食店を経営していましたが、もともと借金がかさんでいた上に、今回のコロナ禍で2カ月休業を余儀なくされ、営業再開後も客足が戻りません。すでに家賃を滞納していたうえ、今後はまったく払えなくなりそうで、このままだと店を続けられなくなります。店を閉めても借金が残るだけで、この先の人生どうしたらいいのかと途方に暮れています。


【A】私は千葉県成田市にある曹洞宗長寿院で悩み相談や自死予防の活動を続けてきました。今回のコロナでも、さまざまな人から仕事がなくなったとか、家庭が崩壊しそうだといった、悲鳴にも似た電話がかかってきています。

 先日も、寿司職人の方から、コロナで行き詰って、借金だけが残って、もう死ぬしかない。海に向かって歩いているけど、誰かと話したかったから電話した、と連絡がありました。そこで私は、今回のコロナは誰に責任があるわけでもない。自然界で起きたことで、人間にはどうしようもなかったんだから、債権者が来たら払えないものは払えない。ごめんなさいと居直れって言ったんです。彼はそんなことできないって言ったんですけど、国の助成金だってあるんだから、頭の中でこれからどうしたらいいか組み立てていけばいいと言いました。彼はもし気が変わって生きていたら、私の寺まで会いにくると言って電話を切ったんですが、まだ解決法が残っているのに死のうとするのは短絡的だったと気付いたのでしょうか。大変なことに遭遇すると、きちんと物事が考えられなくなってしまうんですね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった