新型コロナの未来 イヌウイルスから見た世界同時弱毒化の可能性

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 ここから、不思議なことが起こった。イヌで病原性が高かったCPV―2であるが、1年もすると、病原性の低いウイルスが出現したのだ。このウイルスは抗原的に区別がつき(抗体に対する反応性が異なる)、「CPV―2a」と名付けられた。さらに、1984年になると別の抗原型も出現し、「CPV―2b」と名付けられた。CPV―2aとCPV―2bは一気に世界を駆け巡り、CPV―2と置き換わった。そして、CPV―2はこの世から消滅してしまった。

 なぜ、CPV―2aやCPV―2bが短期間に世界中に広がったのか謎であった。イヌ用のワクチンにこのウイルスが混入したことも考えられたが、そのような証拠はなかった。

■毒性の低いウイルスは1カ所で出現したわけではない

 その後、われわれは東南アジアや日本のイヌパルボウイルスを分離し、遺伝的解析を行った。その結果、興味深いことが分かった。弱毒化したCPV―2aとCPV―2bがどこかで出現し世界を回ったように考えられていたのだが、遺伝子解析の結果はそうではなかったのだ。なんと、世界各地に広がったCPV―2が、CPV―2aとCPV―2bに「世界各地で独立に」進化したのであった。

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