免疫細胞の自爆の連鎖が原因?新型コロナ重症化に潜む知られざるメカニズム

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 新型コロナウイルス感染症の特徴のひとつに急な重症化がある。英国のジョンソン首相もSNSで普通にメッセージを発したわずか数時間後に集中治療室に移送されるほど重篤になったことを覚えている人も多いだろう。その原因のひとつはサイトカインストームにあると言われているが、新型コロナウイルスが引き起こすサイトカインストームは従来考えられていたものと異なるシステムがあるようだ。東邦大学名誉教授の東丸貴信医師に聞いた。

「新型コロナウイルスに感染すると、かなりの割合で全身に多数の血栓が生じていることが分かってきました。心筋梗塞脳梗塞、下肢静脈血栓症などもみられ、死因も肺血栓塞栓症が多数報告されています」

 肺血栓塞栓症とは肺の血管に血の塊(血栓)が詰まる病気だ。血流が滞り、体に必要な酸素や二酸化炭素の交換がうまくできなくなる。

■好中球細胞外トラップ

 なぜ、新型コロナに感染すると血栓が生まれるのか? 従来、感染症による血栓はサイトカインストームと呼ばれる免疫の暴走により生じると考えられてきた。ウイルスなどの病原体が体内に侵入・増殖すると、免疫細胞が過剰に反応する。そのことで自らの器官を傷つける。血管の場合は、傷ついた血管を修復するために血液を固まらせる成分が集結、血栓が生まれる。

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