頭の違和感 軽いくも膜下出血は医師も見分けられない?

公開日: 更新日:

 すぐさま命に直結する脳の病気がくも膜下出血です。脳の太い血管にできた脳動脈瘤という“こぶ”が破れることで、脳の表面を覆うくも膜下腔に、ある日突然出血が起きる病気です。適切な処置が行われたとして、一般的には後遺症なく元の生活に復帰するのは約50%で、何らかの後遺症が残ったり、亡くなられる方が残りの50%といわれています。

 典型的な症状としては、後ろからバットで殴られたようなかつて経験したことのない激しい頭痛です。頭痛と共に意識がなくなり昏睡状態で救急車で運ばれる患者さんは診断が容易ですが、比較的軽い頭痛で本人が1人で歩いて外来受診された場合は、脳神経外科医でも正直見分けるのが難しいことがあります。

 つまり、CTやMRI、髄液検査などを行わないと診断がつかず、単なる頭痛と診断されて鎮痛薬のみ処方されて帰されるケースは少なくありません。そして自宅に戻ってから再出血して重体になったり、亡くなってから「あの時の頭痛が前兆だったのかもしれない」と思い返される方がいらっしゃるのが現状です。

 私の病院では、万が一に備えて頭痛を訴える患者さんには極力検査を受けていただいています。普段は頭痛持ちでない方が違和感を覚えたのでしたら、最近は小さなクリニックでもCTやMRIの設備が整っていますし、大学病院のように予約に苦労したり待ち時間も長くないですから、最寄りの「脳神経外科」もしくは「脳神経内科」を訪ねてください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?