著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

二日酔い予防の裏付けはないが…ウコンは膝の痛みに効く

公開日: 更新日:

 ウコンはインドなどで多く栽培されているショウガの仲間で、英語ではターメリックと呼ばれています。カレーなどの香辛料として有名ですが、その他に日本では滋養強壮や二日酔いの予防のために、栄養ドリンクなどにも使用されています。

 このウコンが最近、膝の痛みに有効という報告があって注目されているのです。滋養強壮の効果や二日酔いの予防については、あまり科学的な裏付けはないのですが、ウコンの成分であるクルクミンという色素はポリフェノールの仲間で、強い抗炎症作用や抗酸化作用があることが、こちらは多くの科学的な研究によって確認されています。

 2014年には精製したクルクミンの製剤が、変形性膝関節症による膝の痛みを改善した、という臨床試験の結果が発表されています。そして今年の内科学の専門誌に、オーストラリアでの同様の研究結果が発表されました。

 こちらはウコンそのものの抽出物を使用した研究ですが、偽薬と比較して、3カ月の使用で膝の痛みの改善が認められています。関節の所見には変化は見られなかったので、関節炎自体が良くなったのではなく、痛み止めとしての効果であるようです。

 膝の痛みに悩む人は多く、処方される痛み止めは効果もありますが副作用もあります。ウコンは副作用のない痛み止めとして今後、膝の治療に使用されるようになるかも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ