著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

睡眠は長くても短くても認知症の危険が増す 米で最新論文

公開日: 更新日:

 皆さんは、毎日何時間くらい眠っていますか? 健康睡眠は実は脳の機能の重要なバロメーターのひとつです。

 昼間の眠気や居眠りについては、認知症の危険性や認知機能の低下と関連があるという、多くの報告があります。

 夜に夢を見て実際に暴れたりする症状を「レム睡眠行動異常」と言いますが、それが認知症になる前から出現している、という知見もあります。

 つまり、睡眠の状態と認知症というのは、意外に深い関係があるものなのです。

 それでは、睡眠時間は長い方がいいのでしょうか、それとも短い方がいいのでしょうか? 

 2017年に発表された論文では、「睡眠時間が長いほど認知症の危険は増す」という結果になっていました。

 今年の米国医師会関連の医学誌に、イギリスと中国の大規模な疫学データを、まとめて解析した最新の論文が掲載されています。

 それによると、1日7時間の睡眠時間を標準とした時、4時間以下と短くても、10時間以上と長くても、いずれもその後の認知機能低下の危険性は高くなっていました。

 九州の「久山町研究」という、日本の代表的な住民健康調査のデータがあり、その解析でも同様の傾向が過去に報告されています。

 睡眠時間が長くても短くても、認知症の危険は増す可能性がある。そう考えておいた方がよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった