冬のマスク過信は禁物 元気なウイルスが多く漂う

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染予防に「不思議な成功」をしてきた日本。冬に入り急拡大しているのはなぜか? 東邦大学医学部名誉教授で循環器疾患が専門の東丸貴信医師に話を聞いた。

「マスクへの過信もその一因かもしれません。これまでの研究からマスクはウイルス飛沫の8割、エアロゾルの半分は防げるといわれていますが、ウイルスの侵入を完全に防げるわけではありません。マスクと顔の間に隙間ができますし、飛沫核はマスクの網目から楽々と通ってしまう。冬は空気中に漂うウイルスが元気で量も多く、感染力も強い。そのためマスクが感染防護に万全でないことをもう一度思い起こしておく必要があります」

 新型に限らずコロナウイルスは気温が下がる冬に活動が活発になり生存力が増す。しかも冬の乾燥した環境では飛沫の水分が蒸発するためにウイルスは飛沫核の上で空気中に長く漂う。湿気が多く、飛沫が身近なところで落ちてウイルスが短期間で死ぬ夏とは異なり、冬は空気中に漂う元気なウイルスが断然多いのだ。

「しかも、小さく軽くなった飛沫核は勢いよく鼻や肺の奥まで吸い込まれます。冬には、ウイルスの変異がなくても、夏に比べて新型コロナウイルスの感染力が格段に強化されているのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束