著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

乳児の呼吸を調べれば喘息になりやすいかどうか予測できる

公開日: 更新日:

 気管支喘息というのは、気管支にアレルギー性の炎症が起こり、胸がゼーゼーして息が苦しくなる発作を繰り返す、慢性の病気です。昔は発作のために亡くなる人も多く、日常生活が苦しくて送れないという人も多い病気でした。

 今では吸入ステロイドという、副作用が少なく、発作が予防できる薬が進歩し、アレルギーを抑える注射のような新薬も開発されて、発作のコントロールはかなりの部分まで可能となりました。

 しかし、喘息そのものを予防したり、その原因を治療して治すような方法は、まだ開発されていません。喘息には体質が影響しているといわれていますが、生まれつき決まっている部分が、どのくらいあるのかは分かっていませんでした。

 昨年の呼吸器学の専門誌に、赤ちゃんの時の呼吸機能と、その後の喘息の発症との関連を検証した研究結果が報告されています。特殊な方法で、生まれてから6カ月以内の乳児の呼吸機能を測定し、その後大人になるまでの経過を観察しました。すると、呼吸機能を示す2つの数値が低い乳児は、3分の2がその後喘息になっていたのです。

 喘息になりやすいかどうかは、今まで考えられていたより強く、生まれた時の肺の状態が影響しているようです。この研究が進歩すれば、喘息になるかどうかを生まれた時に予測して、予防することが可能になるかもしれません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁