著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がん患者のコロナワクチン副反応 健康な人より小さい意外性

公開日: 更新日:

 2回目をサボると、健康な人は86%が抗体を維持できたものの、固形がんは30%、血液がんは11%に低下しました。この結果から分かるのは、がん患者は2回接種を守ること。これに尽きます。「1回受けたから大丈夫」と軽く考えてはいけません。

 次に安全性について。問題(副反応)がなかったのは、1回目接種後はがん患者は54%で、健康な方は38%。2回目は、がん患者71%で、健康な方は31%。がん患者で最も多い局所反応は痛みで、全身反応は倦怠感と頭痛ですが、頻度も強さも健康な方より少なく、小さい傾向です。ワクチンによる死亡もなく、安心して接種していいと思います。

 私が接種したときも、軽い副反応がありました。1回目は、接種翌朝から左肩の痛みで、午後まで続きました。2回目は痛みはありません。翌朝からだるさを感じ、体温を測ると38度以上。風邪と違い、咳や喉の痛みは一切なく、ただ熱が上がっているだけでしたが、その日の夕方には平熱に戻りました。

 国内の接種後調査が報告されていて、1回目の接種後に37・5度以上の発熱はわずか3・3%でしたが、2回目は38%。私のように38度以上は21%に上ります。

 1回目のワクチン接種で体に抗体ができます。それで2回目は、副反応が強まることがあるのです。私も高熱を「コロナへの免疫が身についた証し」と肯定的にとらえていました。動揺することはありませんが、2回目の接種後に高熱の頻度が4割近くあることは頭に入れておいていいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃