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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

アミノ酸の取り過ぎが糖尿病の原因に ホルモン専門誌が指摘

公開日: 更新日:

 疲労回復のために栄養ドリンクを飲む、という方はかなり多いと思います。栄養ドリンクにもいろいろな種類があり、その成分はさまざまですが、入っていることの多い成分の一つが「L―アルギニン」です。

 L―アルギニンは体に必要なアミノ酸の一種で、疲労回復の他に血管を広げて血流を良くしたり、集中力を高めるような作用もあるといわれています。鶏肉や豚肉、大豆製品に多く含まれていて、大人では1日4~6グラムが適切な摂取量と考えられています。

 このように、体にとっていいことずくめのL―アルギニンですが、実はちょっと心配な情報があります。「1日9グラム」という多めの量を半年間継続すると、死亡リスク心筋梗塞になる危険が高まるという報告があるのです。L―アルギニンは成長ホルモンを上昇させます。この性質は成長期のお子さんにとっては良いことなのですが、大人にとっては血糖を上昇させるような悪い影響も考えられるのです。

 今年のホルモン関連の専門誌に、毎日のL―アルギニンの摂取量と、糖尿病のリスクとの関連を検証した論文が掲載されています。糖尿病のない2000人以上を6年近く観察したところ、L―アルギニンを1日5・4グラムより多く取る人は、少ない人と比較して、糖尿病になる危険性が2・71倍高くなっていました。

 健康に良いはずのアミノ酸ですが、大人は取り過ぎには気を付けた方がよいようです。

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