著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

肥満は薬で治る時代が来る? 糖尿病薬の使用で体重15%減

公開日: 更新日:

 肥満糖尿病などの生活習慣病の原因となり、膝や腰を痛めると骨折の原因にもなります。つまり、肥満は立派な病気なのです。この病気の厄介なところは、有効な治療がまだ発見されていないということです。高度の肥満が多く、肥満の増加が社会問題化しているアメリカでは、手術で胃を縮めるような治療が、日本より積極的に行われています。

 しかし、こうした手術治療も万能ではなく、合併症が起こることもありますし、減少した体重が再び増加するリバウンドも少なくないと報告されています。

 肥満の治療に使われる薬もいくつか開発されていますが、今のところ、安心して使えて確実な効果がある、という薬はないのが実際です。

 そこで最近注目されているのが「GLP―1受容体作動薬」という糖尿病の薬です。この薬は血糖を下げて体重を減らすような働きがあり、肥満の合併症である糖尿病の治療にもなるので、一石二鳥であると考えられたのです。

 今年の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という一流の医学誌に、このGLP―1受容体作動薬のひとつである「セマグルチド」という週に1回の注射薬を用いた臨床試験の結果が報告されています。それによると、1年以上の使用で体重は平均で15%近く低下し、問題のあるような強い副作用も認められませんでした。肥満は薬で治る時代が来るかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状