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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖コントロールが悪い糖尿病患者は歯周病発症率が2.6倍高い

公開日: 更新日:

 今回は糖尿病歯周病との関連について、改めてお話ししたいと思います。

 2型糖尿病では、血糖コントロールが良くないと歯周病が悪化することがはっきりと分かっています。1990年、米国の大規模な疫学調査の結果が発表されました。それによると、糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて、歯周病発症率が2.6倍高いとのこと。
 
 さらに大規模な調査として、第3回米国民栄養調査があります。2型糖尿病患者が重症の歯周病を発症している率は、HbA1c9.0%以上で2.9倍、9.0%未満で1.56倍。ちなみにHbA1cの基準値は、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドラインでは4.6~6.2%です。

 ほかにも糖尿病と歯周病の関係を表した研究があり、米国男性を対象にした20年間の大規模コホート研究では、2型糖尿病は歯周病の発症率を29%、1年当たりの歯の喪失率を9%上昇させるとの結果です。

 ドイツのコホート研究でも、HbA1cが7.0以上の糖尿病患者は、歯周病の進行や歯の喪失のリスクが有意に高くなると報告されています。

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