著者のコラム一覧
奥田研爾横浜市立大学名誉教授

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

次々と出現する変異ウイルスに従来のワクチンはどこまで効く?

公開日: 更新日:

【Q】シンガポールは国民の8割がワクチン接種を終えたが、新たな感染者が増えているため、60歳以上の人などを対象に3回目のワクチン接種が始まった。なぜ感染が拡大したのか?

【A】「2020年8月以来の高水準で新規感染者数が増えています。これは外食の解禁などによる人の接触が増えたことによるブレークスルー感染によるものが大半であると思われます。しかし、ワクチン接種完了後に感染するもののうち、重症化に至る割合は1%未満で、未接種者の約6%に比べて極めて低い、とシンガポール政府はワクチンの効果を強調しています。今後も抗体や細胞性免疫などをスルーする新たな変異株が出現しない可能性が全くないわけではありません。最終的には、現在開発しているカクテル療法や新しく発売される抗ウイルス剤などが普及するまでは完全に防げないでしょう」

【Q】ファイザーのワクチンは接種後半年で抗体が4分の1になると報告されているが…


【A】「抗体価が4分の1になって再感染が起こっても、その確率は13分の1という論文データがあります。抗体価が下がっても死ぬリスクはないのかといえば、リスクはあります。接種後時間を経て、抗体価が5分の1や10分の1になってくると、やはり再感染率も上がる。そこで欧米では3度目のワクチンを打つ国が増えています。3度目になると2度目の4、5倍の抗体価を得られるため、安心できるだろうという考えです」

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