著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【腸管出血性大腸菌】抗菌薬の早期使用は日本と欧米で見解が異なる

公開日: 更新日:

 気温が高い夏から秋にかけては細菌が増えやすいため、細菌性食中毒の発生件数が増加します。しかし、気温の低い季節でも発生は見られますので注意が必要です。原因となる細菌は数多く知られていますが、その中でも知名度が高い「腸管出血性大腸菌」についてお話しします。

 大腸菌の中でもベロ毒素を産生し、出血を伴う「腸炎」や「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を引き起こすものを腸管出血性大腸菌と呼び、代表的なものとして「O-157」「O-26」「O-111」などが知られています。

 中でも、O-157は特に有名です。感染経路は飲食物を介する経口感染がほとんどで、加熱が不十分な肉からの感染例が数多く報告されたことから、多くの飲食店で牛刺しなど生の牛肉の提供が禁止されました。

 通常の細菌性食中毒の潜伏期間が数時間~3日程度であるのに対し、病原性大腸菌感染症は4~8日と長いのが特徴です。症状は、無症候性から軽度の下痢、激しい腹痛、頻回の水様便、さらに、血便とともに重篤な合併症を起こし死に至るものまでさまざまです。

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