著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【動物咬傷】ネコにひっかかれて発症したら破傷風の予防を

公開日: 更新日:

 長期にわたるコロナ禍で在宅時間が長くなり、自宅でペットと過ごす時間が癒やしになっているという人も多いのではないでしょうか。ただ、動物はそれぞれ固有の常在菌を持っているため、噛まれたりひっかかれたりした場合には、普段なら感染しないような細菌に侵される場合があり、注意が必要です。

 それぞれの動物に特有な細菌として、イヌやネコの口腔内に常在するパスツレラ(Pasteurella)属菌や、ネズミのスピリルム・マイナス(Spirillum minus)、ストレプトバチルス・モニリホルム(Streptobacillus moniliformis)などが知られています。いずれの場合もペニシリン系の抗菌薬が効果を示す場合が多いとされています。

 ネコの場合、ひっかかれたり、なめられることによりバルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)という細菌に感染し、「ねこひっかき病」と呼ばれる感染症を起こすケースがあります。健常者に発症した場合はほとんど自然治癒するのですが、受傷から数日後に丘疹や水疱が生じ、一部では化膿や潰瘍まで発展する場合もあります。その後、脇の下などリンパ節の腫脹が表れることもあり、注意が必要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁