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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

小倉智昭さんは後悔 セカンドオピニオンは放射線科医か腫瘍内科医に

公開日: 更新日:

 全摘後に出演したフジテレビの番組でこう語っています。男性機能への未練が、全摘を拒否した理由のようです。がん細胞は10~20年かけて1センチに成長します。そこから2センチまではわずか1~2年。このタイミングが早期で、根治できる可能性があります。小倉さんが見つけた、痛みのない血尿は早期がんの特徴で、根治のチャンスでした。

 がんの治療は手術と放射線、抗がん剤で、血液系腫瘍を除く固形がんを根治できるのは手術と放射線です。小倉さんの医師は全摘を勧めたそうですが、小倉さんは免疫療法を選択しました。

「免疫療法や放射線などさまざまな治療があるので、それを調べた上で全摘を拒否したんです。取らないで済むんだったら、それに挑戦したい」とフジテレビ番組で選択のいきさつを語っていますから、ご自身で治療を調べて、決断されたのでしょう。

 がん治療は、敗者復活戦のない一発勝負。最初の治療がとにかく重要です。自分で治療を調べることは大切ですが、疑問点などがあれば、別の医師にセカンドオピニオンを求めること。その医師は、別の病院の外科医ではなく、放射線科医か腫瘍内科医です。これを知らない方がとても多いので、ぜひ頭に入れておいてください。

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