著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【ノロウイルス】ワクチンも治療薬もないため対症療法が行われる

公開日: 更新日:

 食中毒の年間患者数の約半分は「ノロウイルス」によるものです。うち約7割は11~2月に発生していて、この時季の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによると考えられます。

 感染経路としては、ウイルスに汚染されている食品(牡蠣など)を摂取することで感染する(経口感染)のほか、感染者の嘔吐物や便などに接触し、ウイルスが付着した手で口に触れることで感染する(接触感染)などがあります。

 ノロウイルスの潜伏期間は1~2日で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛です。一般的には2~3日で回復し、経過は比較的良いのですが、抵抗力の衰えた高齢者では脱水症状や体力の消耗により重篤化し、時には死に至る場合もあります。

 ノロウイルスの感染力は強く、症状が治まっても1~2週間、まれに1カ月にわたり便中にウイルスを排出し続けるため、接触によって2次感染が広がり、学校や保育園、幼稚園のほかに高齢者施設でも集団感染が起こるケースもあります。嘔吐物からもうつることがあるため、2次感染を起こさないような予防対策を取ることが重要です。また、感染しても発症しない場合(不顕性感染)もあり、このような感染者からの感染拡大に注意が必要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?