著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

痛風発作の後は心筋梗塞に注意! 2カ月以内の発症確率は2倍

公開日: 更新日:

 痛風は尿酸の結晶が関節で炎症を起こす病気です。尿酸がたまりやすい体質のある人が暴飲暴食をしていると、突然足の指の付け根が赤く腫れあがり、歩くことも困難な状態になります。これが痛風発作です。医療機関では、発作を痛み止めなどで抑えてから、血液の尿酸値を下げる薬を使って発作予防の治療をするのです。

 これまで痛風の治療は、尿酸値を下げることと発作を予防することが重要と考えられてきました。しかし最近では、痛風を持っていると、心筋梗塞脳卒中などの動脈硬化によって起こる病気のリスクになることが注目されています。体に炎症が起こると血液の状態が変化して、その後に血栓症などの病気が出現しやすくなります。痛風も関節の炎症ですから、その後に血栓が出来やすくなる可能性はあるのです。

 今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという医学の専門誌に、痛風発作と心筋梗塞や脳卒中との関連を研究した論文が掲載されています。イギリスで6万人以上の痛風患者を調査したところ、痛風発作後2カ月以内に心筋梗塞や脳卒中を起こす確率は、発作の前の2倍近くに増えていたのです。

 痛風発作の後は他の病気の発作も起こりやすいので、体調には十分注意をする必要がありそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも