著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

腎臓の結石は小さくても危険? 米国の一流医学誌が論文掲載

公開日: 更新日:

「尿路結石症」は腎臓から尿管、膀胱につながるおしっこの通り道に、硬い結石という、目で見ても石のような塊ができる病気です。カルシウムなどを中心にして、尿中の排泄物の一部が固まってしまうのですが、肥満など生活習慣病と関連が多いことも分かっています。

 腎臓にできる小さな石は無症状ですが、より大きな石が尿管で詰まると、耐えられないような痛みの発作が起こります。石が自然に下に落ちれば痛みは治まるので、まずは保存的に様子を見ますが、改善しない場合には衝撃波や内視鏡で石を砕いて取り出す治療を行います。

 内視鏡の手術では、痛みの原因となった石だけを取り出すことが多いのですが、実はもっと小さな症状のない石でも、放置するとその後の痛みの原因になる、という指摘があります。今年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンという一流の医学誌に掲載された論文によると、内視鏡による手術の時に無症状の小さな石も一緒に治療すると、しない場合と比較して、8割以上もその後の痛みの発作が予防された、という結果が報告されています。

 腎臓に超音波検査で見つかるような小さな石は、そのままにしておいて心配ないと思われがちですが、今後はそうした常識が変わることになるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり