新たな軽症者向け「新型コロナ飲み薬」の承認が待たれる理由

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「抗ウイルス薬は早く使えば使うほどいいのにそれができない。大学病院や総合病院に勤務する仲間の医師は『かかりつけ患者か入院患者にしか使っていない』と言いますし、開業医からは『腎機能検査の結果が出るまで待っていられない』と聞きます。当院でも処方例は26日時点でラゲブリオ130例に対し、パキロビッド9例です。9例中5例は腎機能GFRの結果から、薬の減量が必要でした」

 パキロビッドは併用禁忌・注意の薬が多いところが、処方のしづらさであるとしばしば指摘されるが--。

「すでに飲んでる薬が併用禁忌または注意かの確認は臨床医なら難しくない。むしろ、すぐに結果が出ない腎機能低下確認の方がネックになる」

 今回、塩野義製薬のゾコーバが緊急承認見送りになったのは、「12症状の改善状況で有意差が出なかった」「催奇形性リスクや、多くの薬物相互作用がある」といった見解が示されたからだ。

「コロナの12症状はデルタ株流行時に設定されたもので消化器症状を含んでいます。現在流行のオミクロン株は消化器症状はほぼなく、有意差が出ないのは当然。一方、主の症状である呼吸器症状と発熱に関しては有意な改善を認めている。BA.5株で咳、咽頭痛、発熱、鼻汁・鼻閉、息切れに苦しんでいる患者さんに、すぐにでも処方したかったのですが……」

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