新たな軽症者向け「新型コロナ飲み薬」の承認が待たれる理由

公開日: 更新日:

「抗ウイルス薬は早く使えば使うほどいいのにそれができない。大学病院や総合病院に勤務する仲間の医師は『かかりつけ患者か入院患者にしか使っていない』と言いますし、開業医からは『腎機能検査の結果が出るまで待っていられない』と聞きます。当院でも処方例は26日時点でラゲブリオ130例に対し、パキロビッド9例です。9例中5例は腎機能GFRの結果から、薬の減量が必要でした」

 パキロビッドは併用禁忌・注意の薬が多いところが、処方のしづらさであるとしばしば指摘されるが--。

「すでに飲んでる薬が併用禁忌または注意かの確認は臨床医なら難しくない。むしろ、すぐに結果が出ない腎機能低下確認の方がネックになる」

 今回、塩野義製薬のゾコーバが緊急承認見送りになったのは、「12症状の改善状況で有意差が出なかった」「催奇形性リスクや、多くの薬物相互作用がある」といった見解が示されたからだ。

「コロナの12症状はデルタ株流行時に設定されたもので消化器症状を含んでいます。現在流行のオミクロン株は消化器症状はほぼなく、有意差が出ないのは当然。一方、主の症状である呼吸器症状と発熱に関しては有意な改善を認めている。BA.5株で咳、咽頭痛、発熱、鼻汁・鼻閉、息切れに苦しんでいる患者さんに、すぐにでも処方したかったのですが……」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?