著者のコラム一覧
池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

【松の実】「肺」の機能を高め潤いを与えて喉トラブルを改善

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 コホコホと咳が続いてつらい……。朝晩の冷え込みや気温が変わりやすい秋口は喉のトラブルが増える季節です。

 年齢を重ねると呼吸器系機能も老化します。肺の呼吸に必要な胸郭と横隔膜の筋肉が衰えることで、その働きは低下していきます。肺胞の数が減って弾力性がなくなり、その周囲にある毛細血管も減ることから肺活量も低下。1秒間に吐き出す息の量も減るのです。

 さらに、気道から異物や細菌を吐き出す力も弱まり、1度ではなく何度も咳を繰り返す傾向も見られます。風邪をひいたことが原因で気管支炎になり、長く咳が続く「感染後咳嗽」、喘息の一種である「咳喘息」、鼻汁が気管に流れ込んで咳を引き起こす「副鼻腔気管支症候群」といった不調もシニアに多い呼吸器系トラブルです。

 長引く咳は体力の消耗につながり、睡眠など日常生活にも支障を来します。とくに体が弱っているときには、悪影響を及ぼすため早めに改善することが大切です。

 中医学においても、秋は喉のトラブルを引き起こしやすい季節とされています。空気が乾燥する秋は呼吸器系をつかさどる臓器「肺」が弱りやすいのです。肺は呼吸によって大気中のきれいな「気」を吸い込み、汚れた気を排出する働きがあります。この機能が弱ると咳、痰、喉の痛みといった症状を引き起こしやすくなるのです。

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