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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

薬もいくつかつくられたが…キノコはがんに効くのだろうか

公開日: 更新日:

 雨の日が続いたある朝、狭い庭の畑にキノコの塊を3カ所見つけました。前日まではまったく見ませんでしたから、夜中に急に出てきたのでしょう。結構、たくさんあるのです。畑の中というよりも、歩く道、砂利の中に生えています。

 家には2冊、キノコの本があります。妻はその写真を指して「食べられる、ニワシメジだ」と言いますが、私は首を縦には振りません。「危ないから食べるのはやめよう」と答えました。

 ちょうど、その日はテレビでも「食べられるキノコ、食べられないキノコ」の話題を取り上げていました。しかし、素人にはなかなか区別ができません。

 結局、近くの野草園に行ってスタッフに尋ねてみると、食べられるキノコでした。さっそく採取して鍋にしてみたら、とてもおいしくいただけました。一緒に煮たネギ、豆腐も美味でした。

 昔、わが家の縁側には乾いた大きなサルノコシカケが1個置いてありました。あれはどうしたのか、食べた記憶はありません。

 ひと頃、サルノコシカケはがんに効くとか、キノコを食べる家庭ではがんが少ないとかいわれたことがあったように思います。キノコは免疫力を活性化させるのではないかというのです。キノコに含まれる多糖類のβ-グルカンは免疫力を上げる、アレルギーを予防する、コレステロールを下げる……などと聞いた記憶があります。

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