自覚症状がないから糖尿病は心配ない…は大間違い 境界型でも心臓病リスクが2.2倍

公開日: 更新日:

「放置してたら(心血管病で)死んでましたよ」

 東京都内在住の男性(60)は50歳の時、妻の強い勧めで健診を受けたところ、血圧、中性脂肪、コレステロールが軒並み高く、特に血糖値の高さは際立っていた。再検査を受けた病院で医師から告げられたのが、冒頭の言葉だった。

 この男性は、亡き父親が糖尿病で、生前、人工透析で大変そうにしているのを目にしていた。しかし自分に置き換えて考えることはなく、多忙を理由に十数年間、健診を受けていなかった。

 インスリンが十分に働かなくなり、血糖値が高くなる糖尿病は、名前はよく知っているが、怖さが正しく認識されていない病気の筆頭格ではないか。「血糖値が上昇しても無自覚。そのため糖尿病は診療、治療開始が遅れる」と指摘するのは、国立国際医療研究センター糖尿病情報センター長の大杉満医師だ。

 症状が何もなくても、ダメージゼロではない。

「糖尿病になる前の血糖値が多少上がってきた段階から、動脈硬化による病気のリスクが上昇します。心血管病のリスクは、糖尿病のある人は3.5倍、糖尿病になる前段階である境界型でも2.2倍です」(大杉医師=以下同)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」