ダービージョッキー藤田伸二さんはなぜ、睡眠導入剤に頼らなくてはいけなくなったのか

公開日: 更新日:

■新幹線は緊急停止、飛行機は滑走路からスポットへ逆戻り

 あれは2003年のダービー前日のこと。中京でのレースが終わり、新幹線のぞみで名古屋から東京へ移動しているときだ。グリーン車の窓側に座ると、隣には太ったオヤジがいた。その圧迫感で息苦しくなり、車内をウロウロしていたらいよいよ息ができなくなってきた。

 車掌に状態を説明したら、のぞみは小田原で緊急停止。俺は(武)豊さんと松永(幹夫・現調教師)さんに抱えられ病院へ直行し、精神安定剤の注射を打った。それからパニック障害になり、20年以上も精神安定剤を毎日飲んでいる。

 海外へ行くとき飛行機に乗ると「ガタン」とドアが閉まる音がやばい。あの音を聞くと「もう10時間以上も外へは出られない」という不安から心臓がバクバクしてくる。耳栓したりDVDプレーヤーを見ていたが、ある日息が苦しくなってどうにもならず客室乗務員に事情を説明し、滑走路からスポットへ引き返したこともある。主治医に相談したら「寝てしまった方がいい」と言われ、睡眠導入剤を処方してもらっている。搭乗前にこの薬を飲めば30分ぐらいで眠くなるが、誰かに起こされるまで寝ていたことはないね。海外でも香港などの近場や国内移動のときは飲まない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった