著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

年の暮れに届いた喪中はがきで頭に思い浮かぶ旧友との思い出

公開日: 更新日:

 電話の声は、意外とさばさばしていたように感じました。きっとS君をたくさん看病され、彼の「気ままさ」をたくさん支えられたのだと思います。

がんはいつ制圧できるかとしつこく聞かれ…

 S君は何かと規格外のところがありました。あけっぴろげで、悩んでいるようなところを見たことがありません。ほら吹きのようなところもありましたが、いつも明るいのが私にはうらやましい性格に思えました。とりわけ、高校野球が好きでした。やたらと故郷の高校を自慢していました。

 学生時代、下宿は一緒ではありませんでしたが、日曜日になるとバットとグラブを持って、朝早くから野球に誘ってきました。私の下宿まで迎えにくるのです。数人が集まって、大学のグラウンドで練習をしました。彼はみんなが嫌がるキャッチャーをやってくれました。中には野球の理論とか、バットの持ち方とか、うるさく言うやつもいましたが、S君は一緒に楽しく汗をかきました。

 S君は、あまり食べずに酒を飲みました。そして、田舎の自慢を繰り返し話します。日本酒が大好きでした。人柄はとてもいい男ですが、酒を多く飲み過ぎると目がすわった感じになって、同じことを繰り返し言ってきます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲