著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

ホコリがつく千羽鶴は白血病患者の病室には持ち込めないと言われ…

公開日: 更新日:

 ある日の夕方、女子高生のS子さん(16歳)は、コーラス部での活動を終えてから同級生のAさんと一緒に帰路につきました。

 その途中、Aさんが急にしゃがみ込んで、めまいを訴えました。S子さんはスマホでAさんの母親に連絡し、そのまま近くの診療所にAさんを連れて行きました。そこでは、「貧血が原因だろう」と言われました。

 しかし翌日、あらためてAさんがC病院で診察を受けたところ、高度な貧血で「急性白血病」と診断され、2日後に入院することになったのです。

 S子さんは、この出来事について自宅で家族に話しました。すると、おばあちゃんからこんな提案がありました。

「かわいそうに……お気の毒だね。千羽鶴を作って、届けてあげたらどうだろう。早く治って欲しいね。鶴は千年、亀は万年だよ」

 さっそくその晩、S子さんはおばあちゃんに折り鶴の折り方を習いました。折り紙で2個、3個と鶴を作って、だんだん早く折れるようになりました。

 翌日、S子さんは学校でコーラス部の友人に折り鶴の話をしてみました。すぐに折り方を知りたいと、5人の同級生に広がります。そして3週間後の夕方、たくさんの束になった千羽鶴を、同級生3人でAさんの自宅に届けました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い