「不妊治療」いま押さえておくべきこと 保険適用になって8カ月…何が変わった?

公開日: 更新日:

「医学的な正解と保険の正解が異なり、判断が難しい面があります」

 たとえば「一般不妊治療が無効」。冒頭で触れた人工授精は、精子を子宮内に注入するところは“人工”だが、その後は、“自然の妊娠”と同様だ。

「どこかひとつでもうまくいかなければ妊娠しません。しかし、妊娠までの過程のうちどこに原因があったのかは検査で明確に調べられません。また、加齢で卵子の質が落ちるため一般不妊治療を長々とするのは医学的にお勧めできませんが、『一般不妊治療を何回すれば無効』という回数は決められていません」

 年齢が高い妊婦では早めの段階で高度不妊治療に切り替えた方がいいものの、その判断は主治医に委ねられており、「『そのタイミングでは早すぎる。保険適用にならない』と後々指摘される可能性がゼロではないのです」。

「卵巣機能低下による機能性不妊が疑われる」についても、判断が難しい。

「例えば、40歳以上で卵巣の機能がいい人はほぼいません。医学的には機能性不妊となるのですが、保険適用の条件としての機能性不妊は疾患概念があやふやなため、医学的には機能性不妊であっても、保険ではどうなのか迷うところがあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇