著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「物忘れ」から始まる認知症は進みにくい 米国の2400人データから判明

公開日: 更新日:

 認知症の初期症状として最も多いのは、今覚えたことをすぐ忘れてしまう、という「物忘れ」です。しかし、それ以外に言葉の出なくなる失語や、馴染みのある場所で迷子になってしまう見当識障害など、他の症状で始まる認知症もあります。

 認知症のタイプによっては、見えないものが見える幻視という症状が出ることもあります。

 失語や見当識障害は、それだけでも病気を疑う症状ですが、物忘れというのは、年齢を重ねれば誰でも出る可能性のある症状で、それだけで異常とは言えません。自然な老化による症状として、他の症状を伴ったり進行したりすることなく、天寿を全うする場合も多いのです。しかし、同じ物忘れでも、認知症に進行することもあるので、話は厄介です。それでは、物忘れから始まる認知症と、他の症状から始まる認知症とで、何か違いはあるのでしょうか?

 今年の認知症の専門誌に、興味深い研究結果が発表されています。アメリカで死後の解剖所見で診断された、認知症の2400人を超えるデータを解析したところ、物忘れが最初の症状の認知症は、他の症状から始まる認知症と比較して、進行がゆるやかであることが分かったのです。

 認知症と一口に言っても、その進行の速さはさまざまで、物忘れ以外の症状から始まる場合には、より注意が必要であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし