著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

「2つのことを同時にこなせない」が脳の老化を加速する?

公開日: 更新日:

 屋外の歩行は、手足を動かすだけでなく、道路標識や信号の確認、位置情報の把握など、複数の認識能力を同時に使うことが求められます。

「テレビを見ながら掃除をする」など、2つのことを同時に行う課題を二重課題と呼びますが、屋外歩行も二重課題の典型例といえるでしょう。

 高齢者における歩行能力の低下は認知機能の低下や転倒リスクの増加に関連することが知られています。しかし、二重課題の実行能力と認知機能の関連性については、質の高い研究データが限られていました。そんな中、健康長寿に関する専門誌の2023年3月号に、二重課題の下で歩行する能力と、認知機能の関連性を検討した研究論文が掲載されました。

 スペインで行われたこの研究では、40~64歳の640人が対象となりました。被験者に対して、自由に45秒歩く通常の歩行テストと、ランダムに選ばれた3桁の数字から、「3」を引いた数字を答えながら、自由に45秒歩くテスト(二重課題下の歩行テスト)を実施し、2つのテストで得られた歩行状態の差から、二重課題の実行能力が見積もられました。また、心理テストによる認知機能の評価も行っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々