糖尿病患者の「目の中」はどうなってしまうのか…血管のこぶ、網膜の出血やむくみ

公開日: 更新日:

 後期は増殖網膜症と呼ばれ、毛細血管が詰まって足りなくなった酸素や栄養を補うために、網膜から新たなもろい血管(新生血管)が網膜から硝子体にまでのびて大量に出血して、視力が低下することがある。並行して新生血管の周りには増殖膜が出来上がり、それが網膜を引っ張るので、牽引性網膜剥離を起こして、失明することもある。

「クリニックではあまりお目にかかりませんが、大学病院の外来では重症の網膜症の患者さんもまれではありません。原因不明の硝子体出血で、片眼の眼底がほとんど見えず、矯正視力も目の前に差し出された指の数もわからない患者さんに出会うこともありました。血糖値を調べたら、通常100程度の血糖が600もあるという症例も数年に一度はいました」

 それでも患者には疲れやすさなど糖尿病への認識は乏しかったという。

「糖尿病の初期段階は視力低下などの自覚症状がないので異変に気づきません。ただし、糖尿病で目の不調を訴える人は診断から10年くらいの人が多く、20年で約60%が糖尿病網膜症を患い、そのうち15%は視力障害を起こすまで進行するといわれています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった