著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

クスリを「ピルケース」に入れる場合はいくつも注意点がある

公開日: 更新日:

 中には、PTPシートから錠剤やカプセルがすでに取り出された状態、つまり“裸”の状態のクスリをピルケースに入れている方もいらっしゃいます。PTPシートのままピルケースに入れるとかさばりますし、結局、服用するときにそこから錠剤やカプセルを取り出さなければならないため、そうしたくなる気持ちはとてもよくわかります。でも、これは絶対にやめていただきたいのです。

 ピルケースを見ていただくとすぐわかりますが、気密性がまったくありません。フタをしっかり閉めていたとしても、空気や水分、光を通してしまいます。クスリには使用期限が設定されていますが、これはPTPシートに入った状態での使用期限となります。つまり、空気や水分の影響を受けるピルケースの中に裸の状態で入れられているクスリは、使用期限内であっても成分が壊れてしまう可能性があるのです。特に吸湿性の高いクスリは、こういったリスクが高いということを理解しておいてください。

 さらに危惧されるのは、ピルケースの中にある裸の状態のクスリは空中を浮遊しているカビや細菌の影響も受けてしまう点です。見た目は変わりなかったとしても、じつはそういったもので汚染されている可能性もあります。実際、とても不衛生なピルケースの中に裸のクスリが入れられているケースも少なくありません。

 ピルケースは有用なツールなので、正しく使えるようになるといいですね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か