著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【誤嚥性肺炎】錠剤が飲みにくい場合でも自己判断で粉砕してはいけない

公開日: 更新日:

 高齢者や脳血管障害後などは、嚥下機能が低下するケースが多いと前回お話ししました。

 脳血管障害後には、咳反射が低下してしまうことが知られていて、その原因のひとつとして迷走神経知覚枝から咽頭や喉頭・気管の粘膜に放出されるサブスタンスPの減少がわかっています。実際、繰り返し肺炎を起こす高齢者から得られた喀痰中のサブスタンスP量は、健常人に比べて減少していることが報告されています。

 高血圧の治療薬である「ACE阻害薬」は、咳を引き起こす物質であるサブスタンスPやブラジキニンの分解を阻害する作用もあるため、人によっては空咳の副作用(約1~5%)が現れます。しかしこの作用は、嚥下反射と咳反射を高めることにもなるので、これにより誤嚥性肺炎を予防する効果が得られると考えられているのです。

 誤嚥性肺炎の予防効果がある薬としては、ACE阻害薬以外にも、アマンタジンやシロスタゾール、半夏厚朴湯なども知られています。

 前回、嚥下機能が落ちている場合は、とろみをつけた食事も効果的だとお話ししましたが、薬が飲みにくい場合にも、とろみをつけた水やゼリーなどで服用することは有効です。時折、錠剤を粉砕したり、カプセル剤の中身を取り出して服用しているケースも見かけるのですが、これらは行う前に必ず薬剤師に確認をとってください。

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