著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「がんは50歳以上の病気」は古い?40代前に診断されるケースが増加

公開日: 更新日:

 小児で発症する一部のがんを除けば、がんは50歳以上で診断されることが多いと考えられています。そのため、多くのがん検診も50歳以上で推奨されているのです。しかし、最近は若い年齢で診断されるがんが増えていることが、世界的な問題となっています。

 今年のがん研究の専門誌に、世界規模の調査の結果が発表されています。それによると、世界中で40代以前の若い年齢で診断されたがんは、1990年から2019年の間に79.1%も増加していて、若い年齢でがんのために亡くなった人も27.7%も増加していました。

 別のがん専門誌に発表されたアメリカの報告では、若い年齢でこの10年に急速に増加したがんとして、消化器系のがんが挙げられています。その中でも、虫垂(盲腸)がん、肝内胆管がん、膵臓(すいぞう)がんが著明に増加していました。つまり、診断の難しい消化器系のがんが特に増えているのです。なぜ若い年齢で発症するがんが増えているのでしょうか?

 数が増えただけであれば、検査が増えたことも原因として考えられますが、実際に亡くなる人も増えているので、それだけでは説明は出来ません。正確な原因は不明ですが、加工肉や赤身肉、動物性脂肪や塩分の多い食事の影響を指摘する声があります。がんは高齢者の病気という常識は、もう通用しないと考える必要がありそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」