著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

論文と現実のギャップ…「サブグループ分析」で目の前の個人に近い人で解析

公開日: 更新日:

 1つは、前もって予定された分析であるかどうかである。研究開始後に予定していない分析として多数のサブグループ分析を行うと、偶然差が出てしまう危険が高くなる。この研究では年齢による分析は前もって計画されたものであり、その危険は小さいかもしれないが、無視していいかどうかはわからない。

 年齢による解析は4つのグループで検討されており、それぞれを有意水準5%で統計学的な差があると判断すると、少なくとも1つは統計学的に差が出るという確率は1-(0.95)⁴=0.19(注)と、19%の確率で有意差を検出してしまう。高齢者で差が出ているのはそうした結果かもしれない。

 ただし、サブグループ分析では一部の対象を取り出すため、検討に組み入れる対象者が少なくなる点に注意が必要だ。対象者が少なくなると、より極端な結果が出やすく、より効果があるとかまったく効果がないとか、極端な結果が出る危険が高くなる。さらには対象数が減ることにより、本来、差があるにもかかわらず、その差を統計学的に有意と言えなくなる危険も大きくなる。つまりサブグループ分析は、差が出やすい面もあり、出にくい面もあるというやっかいな性質がある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    東大出身の小林政調会長は日本史を学ぶべき「2600年以上続く男系継承」は歴史なのか神話なのか…皇室典範改正で浮かんだ疑問

  2. 2

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  3. 3

    国民も気づき始めた皇室典範改正のおかしさ 「愛子天皇」潰しに抗議する市民デモが国会を取り囲む?

  4. 4

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  5. 5

    今も続く「皇室典範」は出来の悪い法律…男の側に不妊の原因を求める発想がなかった時代の産物だ

  1. 6

    不振続く和久田麻由子「news LOG」 M!LK曽野舜太の出演は「毒まんじゅう」か「良薬」か

  2. 7

    高市首相は今の天皇や上皇が嫌で嫌でならない 保守派のホンネは天皇制「崇拝」ではなく「衰退」

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    麻生副総裁への飛び火を防ぐため? 福岡県議会の議長ポスト金銭授受疑惑に自民党本部の後手

  5. 10

    新垣結衣は芸能界から引退するのか? 相次ぐCM降板と夫・星野源の紅白連続出場ストップの余波