子供のアトピー性皮膚炎(下)生後すぐからの治療でアレルギーの「連鎖」を食い止める

公開日: 更新日:

「これらをアレルギーマーチと呼び、乳幼児のうちにアトピー性皮膚炎をしっかり治療することで、次のアレルギー疾患を起こしにくくなります」(大塚医師)

 アトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイドの塗り薬と保湿剤だ。ステロイド外用薬は正しく使えば副作用の心配がないが、ステロイド外用薬へ誤った認識を持つ親もいる。

 国立病院機構三重病院臨床研究部/アレルギーセンター臨床研究部長の長尾みづほ医師(小児科医)は、こんな症例を経験したことがある。生後6カ月の男児が救急搬送されてきたが、親が入院を拒否。説得しているうちに男児が心肺停止となった。幸いにも救命措置で蘇生したが、この男児は全身乾燥が強く、顔から全身へ広がるかゆみを伴う皮疹があり、アトピー性皮膚炎を疑う症状があった。

 アレルギーの原因物質が体内に入り、免疫機能が働いてアレルギー反応を起こすようになることを「感作」という。

「小児、特に乳幼児期は不適切な治療により皮膚だけではなく全身状態が悪くなります。適切な治療で防ぐことができますのでアレルギー体質があるお子さんには早い段階から関わっていきたい」(長尾医師)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?