著者のコラム一覧
最上悠精神科医、医学博士

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

親が身につけるべき「正しい話の聞き方・伝え方」10原則~④⑤⑥

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⑥反応がなくてもまずは挨拶だけでも続ける

 親が挨拶しても子どもの反応がないと、「あいつは親をバカにしている」「挨拶だけの関係なんて、親子とは呼べないものだ」と怒る親御さんもおられますが、それも間違いです。反応があろうがなかろうが、挨拶は続けましょう。挨拶だけはできているなら、それはまだ命綱がつながっていると考えましょう。

 本当はお子さんは親の顔も見たくないと毛嫌いしている可能性だってあるのです。「だったら家を出ていけ!ここは俺の家だ」などと激昂される方もおられますが、出ていく力があるならとっくに出ていっていることでしょう。逆にそんな親を毛嫌いしているのに家を出ていけないほど自立する力が育っていないと理解したいものです。

 早く自立を促すため、一発逆転を狙ったように「無理にでもひとり暮らしをさせなさい」と荒療治を助言される専門家もおりますが、それがうまくいくのは感情不全の病理の軽い場合のみです。本人のこじらせた感情不全に手を差し伸べることなく形だけ家を無理に追い出しても、問題を起こして親が病院や警察などに呼ばれて、結局、本人がもっと傷つき心を閉ざすという悪循環もよく目にする光景ですので、それが「今」なのかは吟味が必要です。

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