著者のコラム一覧
最上悠精神科医、医学博士

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

親が身につけるべき「正しい話の聞き方・伝え方」10原則~④⑤⑥

公開日: 更新日:

⑤会話ができないならLINEだけでもいい

 面と向かって話すのが苦手なら、LINEでコンタクトを続けるのも良い手です。会話するとケンカになる親子もLINEならコミュニケーションできるケースも少なくありません。親子なのに味気ない、不自然だと思われる気持ちはわかりますが、それまでが自然なコミュニケーションだと思っていたのは親の側だけで、お子さんにしてみれば一方的で不自然な親の言い分を押し付けられて苦しんでいたと理解したいものです。

 LINEでの親御さんの対応が適切であれば、いずれリアルのやりとりも無理なく進むことでしょう。逆にLINEなどは記録が残るので、何かメッセージを送った直後からまったく返事が途絶えたとか、非常に怒りくるったような返事が届いた……などという場合には、自分のやりとりを冷静に事後分析する貴重な材料にもなるでしょう。

 私の経験では、未成年の女性でしたが、親とのLINEのやりとりで「どうしてこんな無神経なスタンプを送ってくるのか信じられない」と泣き出した方がいましたが、親はまったく何の気なく軽い気持ちで送っただけと判明し、そこで互いの繊細さのあまりの感度の違いが「見える化」された形となり、初めて親御さんが「娘が本当はどういう子なのか理解が深まった」と驚かれていたこともありました。

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