著者のコラム一覧
西内義雄医療・保健ジャーナリスト

医療・保健ジャーナリスト。強みは各地に顔見知りの保健師がいること。両親&義両親の介護・看取りを経験。

予後がまるで違う! 回復期リハビリテーション病棟の使い方

公開日: 更新日:

 要介護状態となった人の原因として上位を占めているのが、脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患。これらの疾患は適切な治療を受けることで社会復帰が期待できる。

 ただ、高齢者の場合、いくつかのリスクが付きまとう。長い入院生活による認知症の不安と足腰の弱体化だ。それを避けるため、急性期を脱したら、すぐに本格的なリハビリを開始したい。

 そこで注目してほしいのが回復期リハビリテーション病棟の存在だ。前述の脳血管疾患や大腿骨骨折など、特定の疾患で急性期を脱した患者に対し、リハビリ専門職がチームを組み、心身ともに回復した状態で自宅や社会に戻す役割を担っている。

 つまり、治療や静養が目的ではなく、日常生活を取り戻すための訓練(リハビリ)の場なので、病棟と名が付いていてもパジャマを着るのは寝る時のみ。日中は運動に適した服装が求められ、1日最大9単位(3時間)までの集中リハビリを受けることができる。食事もベッドから離れた場所で取るのが一般的だ。

 高齢者にはちょっとハードな印象を持つかもしれないが、リハビリを担当する作業療法士や理学療法士は若いスタッフが多く、マンツーマン指導になるので年寄り扱いされたくない高齢者のウケもいい。筆者の母も腰椎圧迫骨折のリハビリで2カ月間お世話になり、最初は伝い歩きしかできなかったのに、自力で階段昇降できるまでに回復した。急性期病院を退院した後、自宅に暮らしながらリハビリを続けていくと、確実によい結果が生まれることだろう。

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