著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

小休止を挟むと記憶が定着しやすくなる…海馬に良い変化を与える

公開日: 更新日:

 例えば、最初に顔を見てオールドと判断した場合、次も顔を見せて判断をあおぐ。次の画像をヤングだと判断した場合には、その次の画像はあえて家を見せて、ヤングかオールドを判断するという具合です。記憶や判断力をつかさどる海馬を、意図的に働かせる状況をつくり出しているというわけです。

 その上で、シャックとニブは、1~4日後に同じ内容の実験を行い、脳内で何が起こっているのかを観察。導き出されたことは、被験者たちはテスト後の5分間の休憩で、直前に見たものを海馬で自動的に再生(リプレー)していることでした。つまり、休むことによって、脳(海馬)は起きた出来事を自動的に処理しているということ。いわば、自動復習機能のようなことを、脳は行っているというのです。

 この結果から考えると、直前に行っていたことを、脳が自動復習するわけですから、勉強や仕事でも小休止を挟んだ方が定着しやすくなり、情報処理が効率的になると推測できます。実際に、記憶の研究でも「分散効果」という理論があり、何かを勉強するときは連続で覚え続けるよりも、勉強してからある程度時間を置いてから復習をした方が、効率が良いと明らかになっています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした