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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

リンパ腫の免疫療法「CAR-T療法」の劇的効果と超高額薬価

公開日: 更新日:

 英ロックバンド「ザ・キュアー」のキーボード奏者ロジャー・オドネル(68)がまれなリンパ腫であることを自身のXに投稿。音楽関係者やファンのみならず、話題を呼んでいます。昨年9月に診断され、手術や放射線、免疫療法を経て、いまは「素晴らしい」状態に回復しているのは、何よりでしょう。

 リンパ腫の種類や治療法の詳細は分かりませんが、劇的に回復した大きな要因は免疫療法だと思います。今回は、免疫療法について掘り下げましょう。

 一般にリンパ腫の治療では、複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法と放射線が中心です。しかし、抗がん剤が効かないと、免疫療法を行うことがあります。その免疫療法のひとつが、CAR-T療法です。彼がCAR-T療法を受けたかどうか定かではありませんが、可能性は高いでしょう。

 CAR-T療法は、患者さんの血液から免疫細胞であるT細胞を取り出して、がん細胞を攻撃できるようにCAR遺伝子を導入します。この遺伝子改変によってできたT細胞は、がん細胞の表面にある特定の抗原を認識。結合できるように設計されていて、がん細胞を特異的に攻撃する能力がアップするのです。

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