がんの温熱療法「ハイパーサーミア」は放射線や抗がん剤との併用で治療効果を高める

公開日: 更新日:

 がん治療として改めて注目を集めているのが、温熱療法(ハイパーサーミア)だ。どういう治療なのか?

 温熱療法と聞いて、「民間療法の一種?」と思った人もいるかもしれない。東洋医学では冷えは万病のもとであり、「体を温め不調を改善する」という考え方もある。しかしそれらと、がんの温熱療法(ハイパーサーミア)は別物だ。

「がんの温熱療法は、しっかりしたエビデンス(医学的根拠)がある治療法。それが、一般的に言われる温熱療法との大きな違いです」

 こう言うのは、中部国際医療センター放射線治療科統括部長の松本陽医師。

 ハイパーサーミア(Hyperthermia)は高い生体温度のこと。つまり、ハイパーサーミアと呼ばれる温熱療法は、電磁波や高周波エネルギーを体外からあてて、生体温度を高くする治療法だ。

 研究で明らかになっている効果は主に2つある。ひとつは、がん細胞の死滅だ。

「細胞は熱に弱い。そのため電磁波や高周波エネルギーをあてて体温が上がると、正常組織の場合、血管が拡張して血流が増加し、体温を下げるように働きます。しかしがん組織では血管が拡張せず、体温が上がり、結果、がん細胞が熱で死滅する。約42.5度を境に多くのがん細胞が死滅することが研究で確認されています」(松本医師=以下同)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発