著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

救急治療の必要性…ChatGPTは的確に判断するも人は誤解が多い

公開日: 更新日:

 国内における救急車の利用は急増しており、2022年における搬送人員は621万人超(前年比13.2%増)でした。医学的な知識がない一般の人にとって、救急治療の必要性を的確に判断することは難しく、救急車の出動要請が増加している一因となっています。

 ChatGPTに代表されるような生成AIは、病状に対する緊急性を判断するうえで役立つ可能性があります。

 一方で生成AIは事実とは異なる回答をすることもあり、情報の妥当性については議論の余地もあります。そのような中、救急治療に関するChatGPTの有用性を検討した研究論文が、日本救急医学会誌に2025年3月12日付で掲載されました。

 この研究では、総務省消防庁が作成している救急受診ガイド(家庭自己判断)に基づいて、466件の病状シナリオが検討対象となりました。各シナリオにおける救急治療の必要性をChatGPTに質問し、回答内容の質を専門家7人が評価し、回答内容に対する解釈を一般人157人が評価しています。

 専門家による評価において、ChatGPTの回答は緊急度が高いシナリオのうち、95.9%のケースで症状を正確に識別し、96.5%のケースで救急治療を正しく推奨していました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗