著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

なぜ患者さんの職業を聞いちゃいけないの?

公開日: 更新日:

 実際、職業のストレスや職場環境が医学的に大きく影響を与えているのです……と書くと、いかにも、そこらへんにあふれている読者をバカにした医者の偉そうな講釈でしかないので、そうは決して思われたくないので言い方を変えます。

 患者さんの職業は私の診療には大事な要素なのです。つまり、私が個人的に興味があるから、です。自分の目の前にいる患者さんは、いったいどんな人だろう、という興味がなければ診療はできません。

 ところで患者さんの職業を患者さんの表現だけで、医師が正確に理解することはたいがいできません。私もそうですが、世間知らずの医師には、さまざまな職業についての十分な知識がないからです。

 患者さんも、自分の仕事を端的に一言で言い表すのは難しいことでしょう。「仕事は何ですか?」の質問には、その患者さんが思い思いの表現で「自分」を表現しようと試みるはずです。

 いわばコミュニケーションの道具、ということなのです。ですから「患者さんの仕事については聞いてません!」と若い医師が答えているということは、患者さんとの間に大した会話はなかったんだなぁ、と理解されます。

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