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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

圧迫骨折で入院の80代女性は「病院食はまずい」と食事を拒否

公開日: 更新日:

「なるほど。でも、自宅でも食べられなくなった時は、点滴で栄養補給できますからね」(私)

「点滴ばかりになると、口から食べられなくなっちゃうんですか?」(娘さん)

「それは……気持ちの問題じゃない?」(本人)

「私がおいしいごはん作るから、ちょっと様子見てみようよ」(娘さん)

「そうね、やってみるわ」(本人)

「じゃあ、栄養ゼリーも試しに置いておきますね。今日は点滴しておきましょう」(私)

「はい」(本人)

 その後、娘さんの手料理のおかげもあって、徐々に口からの食事が再開できるようになりました。ご本人の言う通り、「気持ちの問題」だったのかもしれません。

「食べること」は「生きること」。自分の好きなものを、自宅という安心できる場所で口にできることは、時に患者さんの生きる力を大きく引き出すことがあります。

 この患者さんは、初診から4年が経った今も、ご家族に囲まれながら、自宅でのびのびと穏やかな時間を過ごされています。

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