著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

われわれの体内では「がん細胞」が毎日発生している

公開日: 更新日:

 このコピーの異常は、通常であれば細胞内でちゃんと修正されるのですが、何らかの原因で修正がされないままになってしまうと、正常な細胞ががん化していわゆるがん細胞になってしまいます。じつはわれわれの体内では、がん細胞は毎日発生しています。しかし、それでもがんにならないのはコピーの異常がちゃんと修正されているためなのです。

 がん細胞の特徴は、増殖スピードが速く、そして無秩序に増殖してしまうことです。簡単にいうと、細胞増殖のときに本来機能するはずのブレーキが壊れてしまっている状態です。よくイラストなどでは、正常な細胞は丸っこくてニコニコして穏やかな感じに、一方のがん細胞はイガイガして怒っているような感じに描かれますが、実際は細胞増殖のブレーキが正常か壊れているかの違いが主なもので、そこまで見た目に大きな違いがありません。しかし、がん細胞が体の中で増えると正常な細胞が機能できなくなってしまい、最悪の場合、死に至るので、そうならないために治療が必要となります。

 ここまでずっと平仮名で「がん」としてきたことに気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。じつは、漢字で「癌」というときは固形癌を意味していて、白血病や悪性リンパ腫などの血液がんは含まれません。そのため、あらゆる種類のがんを意味するときには、平仮名を用います。

 次回からは治療についてご紹介します。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ